真っ暗な洞穴

 私が一番、この病気と格闘して、どうする事も出来なかった時、隔離室の壁をじっと見ていました。その部屋は鉄格子と、むき出しの和式トイレとトイレの紙の束が和式トイレの横に置いてありました。その時は、例えて言うなら「真っ暗な洞穴に、何処が出口か分からないで、じっと座っている感じでした。誰か明かりをともしてくれないかなと思っていました。」人との会話に飢えていました。朝ご飯の時と、朝の10時、昼ご飯の時、3時、夕ご飯の時、先生の受診の時に、看護士・精神科医が現れます。その時以外は、一人でした。完全防音の部屋だったので、物音がしませんでした。時計の音が気になるので、時計を外してもらっていました。最初は、部屋のドアを蹴り飛ばしていました。力尽きて、座り込みじっとしていました。その時は何をやっても上手く行きませんでした。主治医の診察で、「だいぶん落ち着きましたか?」ひまわり君「はい、落ち着きました。」主治医「それでは、Dルームに出ましょうか?」そして、私は、Dルームに出ると、コーヒーとクッキーが出ました。それから、毎日、3時に、コーヒーとクッキーを食べる様になりました。周りの人と距離が取れる様になったので、朝10時から昼の4時まで、Dルームに出れる様になりました。隔離室を利用するのは、隔離室にはカメラが付いているからです。それを見ながら医療のスタッフが様々な事を考えます。薬の調合が出来て、本人の病状が落ち着いてくると、部屋が決まります。個室、もしくは、2人部屋、大部屋に移るのは、大分、病状が安定してからです。それから、週に数回、臨床心理士とのカウンセリングがありました。そして、作業療法に出れる様になり、陶芸・革細工・銅板・絵画・農耕などに出れる様になりました。また、ソフトボールやバレーバール、音楽療法などにも参加できる様になりました。時間はかかりましたが、心のケアをする事が出来たと思います。私は人生の底を見て、精神的に強くなりました。人生には遠回りが必要な時があります。


                                       ひまわり君

明石ピアポの会

第1・第3・第5(金)明石市勤労福祉会館(あすく)で 電話相談・面談を行っています。 AM 10:00 ~ PM 2:00 TEL 078-945-5651 明石ピアポの会定例会  第2・4(火)ピアスペース西明石 PM 4:00 ~ 5:00 参加される場合は御連絡ください。 TEL 078-920-8124 担当 田村

0コメント

  • 1000 / 1000